こんにちは。菊名駅西口徒歩１分、ししどファミリー歯科菊名駅前の院長田中です。

本日は患者様からよくご質問いただく、「電動歯ブラシ」について解説していきます。
電動歯ブラシは効率的に磨ける歯ブラシとして注目を集めていますが、どのように使えば良いのか、どの製品を選べば良いのか迷うことも。
そこで今回は電動歯ブラシの効果や選び方のポイントについて詳しくお伝えします。

電動歯ブラシの種類

みなさんは普段どんな歯ブラシをお使いですか？

２０１９年にフィリップスが行った調査によると、日本では一般の方の約２割が電動歯ブラシを使用しており、歯科医療従事者に限るとその割合は約４割に増加します。
多くの方が手磨き用の歯ブラシを使っていらっしゃることがわかります。

一方、海外では電動歯ブラシの使用率が8割を超える国もあり、歯磨き習慣における国際的な違いが明らかになっています。

その仕組みと特徴

電動歯ブラシは、電動モーターによってブラシヘッドが高速で動き、手磨きでは不可能な速さで振動や回転を歯に与えます。この動きにより、手磨きより短時間で歯垢や汚れを短時間で効果的に除去することが可能です。

• 超音波ブラシ

超音波ブラシは非常に高速な振動を発生させるため、手動歯ブラシと同様に歯ブラシを左右に動かして磨く必要があります。超音波は１６０～２００万Hzの幅広い振動数を持ち、プラークに潜む細菌や、むし歯の原因となる不溶性グルカン（ミュータンス菌を歯に付着させる原因）を効果的に除去することができます。これにより、音波歯ブラシよりも優れた歯垢除去能力を発揮するとも言われています。

ただし、超音波の振動は非常に細かいため、電動歯ブラシや音波歯ブラシと異なり、手で正しくブラッシングすることが重要です。製品としては「アクアソニック」などが挙げられます。

• 音波ブラシ

音波ブラシは、音波振動を利用して歯垢を効果的に除去する電動歯ブラシです。音波振動は２００～３００Hz（ヘルツ）で、毛先が届かない箇所のプラークにも対応することができます。
１分間に約３万回の音波振動が発生し、その振動によって細部までしっかりと歯を磨くことが可能です。

音波ブラシの特徴として、毛先を直接歯に当てて汚れを落とすだけでなく、音波振動によって生じる水流や細かい泡がやさしく歯垢をかき出すサポートをしてくれます。。従来の電動歯ブラシと同様に、使用時に歯ブラシを動かす必要はほとんどありません。

商品としては、フィリップスの「ソニッケアー」やパナソニックの「ドルツ」などが代表的です。

• 従来の電動歯ブラシ

従来の電動ブラシは、ブラシ部分が電動で往復運動や回転運動を行い、毛先が歯に直接当たることで汚れを効率的に除去します。１分間で約２，５００回～７，０００回の高速な動きをするため、手磨きでは難しい歯垢（プラーク）の除去が効果的に行えます。

このタイプの電動ブラシは、手磨きのように歯ブラシを自分で動かす必要がほとんどなく、手軽に使えるのが特徴です。また、比較的安価で、手磨きでは落としにくい場所の汚れも効果的に落とせることから、多くの方に愛用されています。

代表的な商品としては、ブラウンの「オーラルB」などがあります。

音波とは

音波とは、物体が振動するとその振動が空気を伝わり、空気の密度が濃い部分と薄い部分が交互に生じることで発生する波のことです。これが私たちが「音」として認識しているものです。
人間が聞き取れる音の範囲（可聴域）には個人差がありますが、一般的には２０Hz～２０kHzの周波数を聞き取れるとされています。

しかし、加齢とともに可聴域は狭くなり、高い周波数の音が聞き取りにくくなることが多いです。
なお、２万Hz以上の音は、人間の耳では聞き取れず「超音波」と呼ばれます。

電動歯ブラシの使い方

電動歯ブラシの効果を最大限に引き出すためには、正しい使用方法が大切です。
ここでは、歯の部位ごとに使い方を解説します。

1. 歯の表面（唇側）

歯の表側や唇側面には、ブラシを垂直に当て、振動が均等に伝わるようにしましょう。ブラシを力強く押し付けないことがコツです。優しく当てることで、電動ブラシの振動が効果的に働きます。

2. 歯と歯茎の境目、歯周ポケット

歯と歯茎の境目を磨く際は、バス法という方法を活用します。歯ブラシを４５度の角度で当て、歯肉やその周囲にターゲットを絞ります。これにより、歯周ポケットにたまった汚れを効果的に除去できます。

3. 噛み合わせ部分（咬合面）

奥歯の咬合面は、通常の歯ブラシと同様に、ブラシを歯面に対して９０度に当て、しっかりと磨きます。電動ブラシを軽く当てるだけで、しっかりと汚れを除去できるので、力を入れずに丁寧に磨くことがポイントです。

 

電動ブラシを使う時の注意事項

電動ブラシを正しく使用するためには、手磨き用の歯ブラシとは少し異なる点もありますので、
以下の点に注意して使いましょう。

•  力を入れすぎない

電動ブラシの多くは、手磨き用の歯ブラシのように手で動かす必要がないため、ブラシを軽く歯に当てるだけで十分です。
特に音波ブラシなどは振動により汚れを除去するので、力を入れすぎてしまうと歯や歯茎を傷つける恐れがあります。まだ電動ブラシに慣れていない方は、従来の歯磨きのようにしっかりと歯ブラシを歯に押し当ててしまうことが多いですが、ブラシを優しく当てるだけで効果的です。

•  歯磨き粉は研磨剤不使用のものを選ぶ

電動歯ブラシを使用する際は、研磨剤が含まれていない歯磨き粉を選びましょう。
研磨剤入りの歯磨き粉は、電動ブラシの強い振動によって歯の表面を傷つける可能性があるため、歯磨き剤は少量で十分です。当院では、電動ブラシに適したジェルタイプの歯磨き剤もご用意しておりますのでお気軽にご相談くださいね。

• ご自身に合った電動ブラシを選ぶ

お口の中の状態は人それぞれ異なります。まずは歯科医院で定期的に検診を受け、口腔内の健康状態を把握しましょう。その上で歯科医の指導を受けながら、ご自身に合った電動ブラシを選ぶことが大切です。

手磨き用の歯ブラシがおすすめの方

手磨き用のの歯ブラシには、価格を抑えられたり、自分の歯並びに合わせて細かく歯面を磨けるというメリットがあります。また、さまざまな硬さや形状のブラシが選べるため、時間をかけて丁寧に磨きたい方にとって理想的なツールです。以下のような方には、特に通常の歯ブラシがおすすめです。

• 歯ブラシの指導を受けたばかりの方
  正しい磨き方を習った直後は、手磨きでその技術を磨きたい方に適しています。
• どこでも気軽に磨きたい方
  電池や充電が不要なため、外出先や旅行先でも手軽に持ち運び、使用できます。
• 費用を抑えたい方
  手磨き用の歯ブラシは電動歯ブラシに比べて価格が安価です。
• 電動歯ブラシの振動や動きが苦手な方
  電動歯ブラシの独特な振動や動きが合わない方は、手磨き用の歯ブラシがストレスなく使えます。

電動歯ブラシがおすすめの方

電動歯ブラシの最大のメリットは、誰でも軽い力で簡単にスピーディーに磨け、手磨きよりも高いプラーク除去効果が期待できる点です。次のような方には、特に電動歯ブラシをおすすめします。

• 矯正装置を使用している方
  矯正器具の周りに溜まる汚れも、電動歯ブラシなら効率よく除去できます。
• 忙しくて歯磨きに時間をかけられない方
  短時間でしっかりと磨けるため、忙しい日常の中でも効率的に口腔ケアができます。
• 歯磨き時に力が入りやすい方
  電動ブラシは軽い力で十分な効果を発揮するため、歯や歯茎への負担が少なくなります。
• 正しい歯磨き方法を理解している方
  電動ブラシを正しく使うことで、より効果的な歯磨きが可能になります

自分に合った歯ブラシを！

電動歯ブラシと通常の歯ブラシ、どちらが良いかという問いに対する答えは、とても難しいです。

結局自分に合った方法を選ぶことが正解なのではないかと思います。

どちらを選んでも、正しい方法で磨けていれば歯の汚れ（プラーク）はしっかり落とすことは可能です。

電動歯ブラシは、比較的簡単に短時間で汚れを落とすことができますが、正確に歯に当てることが重要です。一方、手磨きは歯並びに合わせて細かく磨くことができますが、電動歯ブラシに比べて丁寧に時間をかける必要があります。

自分の口の状態やライフスタイルに合った歯ブラシを選び、歯磨きの目的であるプラークをきちんと除去しましょう。時間があるときは手磨きで丁寧に、忙しい時は電動歯ブラシを使うなど、状況に応じて使い分けるのも良い方法です。

むしば予防はししどファミリー歯科菊名駅前へ

今回は電動歯ブラシと手磨き用の歯ブラシについてお話させていただきました。どちらも正しい使い方をすることで、効果的な歯磨きが可能です。ご自身に合った方法を選んで、毎日のケアに取り入れてみてください。

また、予防歯科や歯に関するお悩み・歯ブラシの選び方に迷われている方は、ぜひししどファミリー歯科菊名駅前にご相談くださいね。ご来院を心よりお待ちしております。