歯を失ったらどうするべき?
こんにちは。ししどファミリー歯科菊名駅前院長の田中です。
歯を虫歯や歯周病、事故などで失ってしまうと、見た目や咀嚼機能だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼすことがあります。そうした場合、歯の欠損部分を補うための補綴治療として、入れ歯、ブリッジ、そしてインプラントという選択肢があります。
これらの治療法には、それぞれ異なる特徴やメリット、デメリットがあり、患者様のご希望やお口の状態に合わせて最適な治療を選ぶことが大切です。
今回のブログでは、各治療法の違いや費用、ケアの方法について詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
入れ歯のメリット・デメリット
メリット
- 幅広い適応:部分入れ歯から総入れ歯まで、保険適用も含めた多様な選択肢があり、さまざまな欠損の状態に対応できます。
- コスト:保険適用が可能で、一般的にブリッジやインプラントよりも安価です。
- 取り外し可能:取り外して清掃できるため、口腔内の衛生を保ちやすく、手入れが比較的簡単です。
- 非侵襲的:金具を掛ける溝を作る必要はありますが、健康な歯を大きく削る必要がありません。
デメリット
- 安定性:入れ歯が動くことがあり、安定感に欠ける場合があります。多くの患者様が違和感を感じやすいのが特徴です。
- 習慣化:装着に慣れるまで時間がかかり、日常生活への適応には練習が必要です。
- 維持管理:紛失や破損のリスクがあり、定期的なメンテナンスや調整が歯科医院で必要です。
- 見た目:審美性の面でブリッジやインプラントと比べると劣る場合がありますが、入れ歯の種類によって異なります。
費用
- 保険治療:患者様の負担割合により異なりますが、部分入れ歯で数千円から2万円程度、総入れ歯でも1万5千円から5万円程度です。
- 自由診療:クリニックにより費用は異なりますが、数万円から50万円前後が一般的です。高品質な材料や特殊技術を使用した場合には、さらに高額になることもあります。
ブリッジのメリットとデメリット
メリット
- 固定性:ブリッジは支台歯にセメントでしっかりと固定されるため、食事や会話中に動く心配がなく、取り外しの必要がありません。
- 自然な感覚:自分の歯と同様に、自然な噛み心地や感触を得られます。
- 審美性:保険適用でも、周囲の歯と調和するデザインが可能です。ただし、奥歯の場合は銀歯になることがあります。
- 耐久性:適切なケアを行えば、インプラントに匹敵するほどの長期間の使用が期待できます。
デメリット
- 健康な歯の削除:最大のデメリットは、隣接する健康な歯を削る必要があることです。
- 費用:保険適用が可能ですが、入れ歯に比べるとやや高額です。
- ケアの難しさ:ブリッジの清掃はやや難しく、定期的なメンテナンスが必要です。
- 修理の難しさ:破損した場合、修理が困難で、再作成が必要になることもあります。
費用
- 保険治療:負担割合や欠損している歯の本数、使用する材料によって異なりますが、最低3本以上のブリッジで1万5千円~2万5千円程度です。
- 自由診療:クリニックにより異なりますが、素材や技術によって費用が大きく変動します。
インプラントのメリットとデメリット
メリット
- 固定性:インプラントは顎骨に直接スクリューを埋入するため、非常に安定しており、まるで自分の歯のようにしっかり固定されます。
- 自然な感覚:天然の歯とほぼ変わらない感触と機能を持ち、これがインプラントの最大のメリットです。
- 審美性:見た目も非常に自然で、美しい審美性を実現できます。
- 隣り合う歯に影響がない:ブリッジと違い、健康な隣接する歯を削る必要がない点も大きな利点です。
- コスト:日本ではインプラントは保険適用外のため、治療費が高額になります。
デメリット
- 手術が必要:インプラントを埋入するには外科的な手術が必要で、身体的な負担が伴います。
- 治療期間:インプラントが顎骨と結合するまでの期間が必要で、治療期間が比較的長くなります。
- リスク:手術に伴う感染症や合併症のリスクがあるため、事前のリスク評価が大切です。
費用
- 自由診療:インプラント治療は保険適用外で、1本あたり30万円~50万円以上が一般的です。地域や歯科医院により価格は異なり、必要なインプラントの本数が多くなると総額もさらに高くなる場合があります。
それぞれの清掃方法とケアグッズについて
入れ歯のケア
毎日の清掃:専用の義歯用ブラシ(硬め)を使用し、流水でしっかりと汚れを洗い流します。
入れ歯用洗浄剤:定期的に入れ歯用の洗浄剤を使用することが大切です。特に、使用している入れ歯の材質に合わせた洗浄剤を選ぶのがおすすめです。
歯肉のマッサージ:入れ歯の圧力で歯肉が負担を受けるため、健康を保つために歯科医院での歯肉マッサージも効果的です。
定期検診:入れ歯のフィット感や口腔内の健康を確認するために、歯科医院で定期的な調整を行いましょう。
おすすめのケアグッズ
ブリッジのケア
歯間ブラシやフロスの使用:ブリッジのダミーの歯(ポンティック)周囲や隙間の汚れをしっかり除去するために、歯間ブラシや専用フロスを使用します。
通常の歯磨き:天然歯と同様に、毎日丁寧に磨くことが必要です。
フッ素配合歯磨き粉の使用:特に虫歯予防のために、フッ素入りの歯磨き粉を使うと効果的です。
定期検診:ブリッジの安定性や周囲の歯の健康を確認するために、定期的な歯科検診を受けましょう。
おすすめのケアグッズ
- 歯間ブラシ(サイズに合わせたもの)
- フロス(ブリッジ用の特殊なタイプ)
- フッ素配合の歯磨き粉
インプラントのケア
通常の歯磨き:インプラントも天然の歯と同様に、歯ブラシでしっかりと清掃しましょう。
インプラント専用ブラシやフロス:特にインプラントの周囲には柔らかめのブラシやフロスを使用して、汚れやプラークを除去します。
洗口液:インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病にかかる可能性があるため、洗口液での予防もおすすめです。
定期検診:インプラントがしっかり固定されているか、また口腔内全体の健康を保つために、歯科医院での定期検診を受けましょう。
おすすめのケアグッズ
- インプラント専用ブラシ(柔らかめ)
- フロス
- 洗口液
まとめ
歯を失った後の治療法として、入れ歯、ブリッジ、インプラントには、それぞれ独自のメリットとデメリットがあります。
簡単にまとめると、入れ歯は幅広い適応力とコスト面での利点があるものの、安定性に欠け、違和感が課題です。また、定期的なケアが不可欠です。
ブリッジは安定性と審美性に優れていますが、健康な隣接歯を削る必要があります。
インプラントは最も自然な感触と美しい見た目を提供しますが、費用が高く、外科手術が伴います。
それぞれの治療法には、患者様の状態や希望、予算に合わせた選択が必要です。加えて、日常的なケアと定期的なメインテナンスが長持ちのカギとなります。
皆様の笑顔と健康を守るために、自分に合った補綴治療とケア方法を選び、長く大切にしていきましょう。
失った歯についてお悩みの方はししどファミリー歯科菊名駅前までお気軽にご相談くださいね。
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